南吉の暮らしぶり

 下宿から勤務先の安城高女までは、徒歩で30分近くかかる距離があります。南吉は ステッキを片手に通勤していたようです。

公表されている日記には、当時の安城の街の様子や女学校の生徒の様子が克明に記されています。また、下宿先の集落の様子は、『 百姓家』の詩として描かれています。

 南吉は、夕食と入浴を女学校の用務員室で済ませ、帰宅していたようです。下宿にあ った家財道具は、布団(万年床)と小さな机、それに書籍の山であったと言われていま す。

彼は、帰宅すると夜遅くまで、布団の上で腹ばいになりながら、創作活動に打ち込 んでいた。下宿先の大見さんが児童に語ってくれたことです。

週末には、洗濯物の山を抱えて半田へ帰り、義理の母親に洗ってもらっていました。