トノサマガエル

 上倉地区で観察されるカエルとしては、ウシガエルを除けば最も大きく色彩も美しいカエルですが、一番数が少ない種類でもあります。中央に一本の線(背中線:はいちゅうせん)があります。2012年の環境省のレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)見直しによって、準絶滅危惧(NT)として掲載されました。
 繁殖期は春で、このころの雄は黄色を帯びます(婚姻色:こんいんしょく)。一度にたくさんの卵を産むために、うまくいけば秋までには大きな子ガエルになり、冬越しに有利です。しかし、農地環境の変化で、冬季に乾田化する地域では、春先には産卵できる水たまりがありません。稲作の途中で水田から水が抜かれると、幼生が全滅してしまう場合もあります。このことは、現在トノサマガエルが少なくなってきていることに関係があるように思われます。
 本種とよく似たナゴヤダルマガエルとは区別が難しく、一部では両者の交雑が進み、区別が難しくなっているといわれています。
   左:婚姻色が現れたオス 右:メス


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