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▲平成21年5月29日(金) 深く濃い緑色に 毎朝子どもたちは、この雄壮な姿を見ながら登校しています。 |
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▲なんじゃもんじゃのお医者さん 安藤さん 害虫捕獲作戦で樹を守る 害虫をおびき寄せて捕獲 |
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▲平成21年7月31日(金) 「害虫捕獲器」でアメリカシロヒトリを100匹捕獲 この幼虫が葉を食べる。 |
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▲平成21年9月25日(金) 真っ青な秋晴れに 真っ赤なサルビア 今、コントラストが美しい |
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▲平成21年11月20日(金) 朝晩 冷え込む日が続き、色づいた葉が落ち始めています。 |
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▲平成21年12月17日(木) すっかり葉を落としたなんじゃもんじゃ 来春の開花に向けて、準備が始まっています。 |
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▲平成22年1月5日(火) 春の息吹を待って、新たな支柱を設置 台風18号の強風により、傾いた支柱を新たに |
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▲平成22年1月6日(水) 冬の手入れ 今年も美しい花が咲きますように 樹木医さんの陰の力で日本一の花が咲く |
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なんじゃもんじゃの樹の下で 〜根を養えば樹は自ら育つ〜 安城北部小学校長 神 尾 壽 明 |
あたたかな陽光を浴びて、凛と華やぐ銀色の微笑み。伝統ある舞台の上に、やさしくけなげに咲き誇るなんじゃもんじゃ。開校100周年を象徴しているかのような風格と威厳を感じる。
雪が積もったような白銀の世界は、北小の子どもたちの純粋な心を表しているようにも見える。純白な花の周りでモンシロチョウが春風に舞っている。明るく陽気な子どもたちの姿とも重なって見えてくる。チョウから花へと目を移すと、産毛で包まれた柔らかさが迫ってくる。綿菓子の甘い香りが漂ってくるような気がして、一歩花に近づいてみる。プロペラのような白い花弁が幾重にも重なっている。ハタキの先のように花弁が散らばっている。4枚に避け、筒状に丸まった花弁が細長く伸びている。かすかに反ったり、わずかに縮れたり、薄く細長い花弁は、かすかな風の動きに揺れている。可憐な花々は一体となって枝葉を覆い、こぼれしたたるほどに咲き誇っている。
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なんじゃもんじゃのてっぺんの教室から、元気な歌声が開校100周年の舞台に届く。「青い大空、赤い屋根・・・」青と赤の遠い昔の風景が巡り、白銀の世界が一層まぶしく目に映る。白銀の繁みが、力強い歌声とともに踊っている。一歩二歩と繁みの中へと足を進めると、花と葉の隙間から一条の光が差し込み、光と影のコントラストが浮かび上がる。影が濃い根元ほど、不思議とまぶしさが加わる。根元に近づくほど、ますます色濃くなり風格が漂ってくる。幹の太さと色合いに畏敬の念が湧いてくる。その下は見えないが、地中深くに根が伸びているのだろう。
今、大空に向かって真っ白な花を咲かせ、枝を伸ばし葉を茂らせているように、この下でもその根が枝葉と同じように深く長く伸びているのだろう。舞台のスポットを浴びている花は美しい。それを支えている根っここそ、さらに美しいと心が揺れ動く。根元を境に、あたかも上下対象の姿形に想像を巡らす。目にしているのは、巨木の半分の姿でしかないことに気がつくと、心がなぜか騒ぎ出す。実は目に見えない半分が、この美しさを支えているのかもしれない。しっかりと根を張ったなんじゃもんじゃの輝きと、北小の歴史と伝統とが重なって見えてくる。
根っこは、冬の間に養分を蓄えて開花の準備をしていたのだろう。根がしっかりしているからこそ、寒さに耐えることができたのであろう。寒の間は休眠し、やがて春の光を浴びて眠りから覚め、今こそ自分の出番だとばかりに内面からほとばしって、今ここに見事な姿を現している。
幾多の寒に耐え、樹齢を重ねてきた大樹は、今春も真っ白な花を咲かせてくれると、だれもが待ち望んでいる。秋は栄養を風に散らし、葉は根に帰している。樹齢85年の巨木は、北小のシンボルとして、子どもたちや卒業生、地域の人々に親しまれている。この勇壮な姿と風格は、わたしたちの心を包み込むやさしさをもっている。長い歴史の積み重ねが、人々の心にこだまし、心を動かすほどにもなっている。
開校100周年に大きな夢を託して3本の樹を植えた。正門横にイチロー選手のバットの樹「アオダモ」、作手野外センターに北小シンボル「なんじゃもんじゃ」、子どもたちの心に「夢の実る樹」を。3本が支え合って、大きくたくましく育ってくれることを願い、根っこに水や肥料をこまめに与えている。花を立派につけてほしいと、直接、花が咲きそうな枝先に水や肥料をやる人は、だれ一人としていないだろう。上に伸びることよりも先に、下に根を張ることを優先して、愛情をもってあたたかく見守っている。大地に深く根を張り、その結果、美しい花や立派な実がなることを願わざるを得ない。今日も、なんじゃもんじゃの大樹の下で、地域や家庭、子どもたちの心にしっかりと根を張ろうと、遙か100年先への夢が駆け巡る。 |
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